今一度確かめたい。渡辺力のプロダクトの魅力 [商品紹介]
本日1月8日は、ちょうど2年前の2013年に101歳でお亡くなりになったプロダクトデザイナー渡辺力氏の命日です。
当時まだACART LIFESTYLEが誕生する前でしたが、もちろんそのお名前は存じておりましたし、作品に憧れる一ファンでもありました。
そこで本日のブログは当店がお取扱いしている渡辺力氏のプロダクトとそれらの持つ魅力についてほんの一端ではありますがご紹介できればと思います。氏のデザインに対するその真摯な姿勢が深く刻み込まれたプロダクトたちを、ぜひいま一度ご覧ください。
その前にものすごくざっくりと早送りで解説を。
渡辺力氏のデザイナーとしてのキャリアが始まったのは戦後間もない1940年代後半。デザインという言葉がまだ一般的でなかった日本のデザイン黎明期ともいえる時期です。
その後プロダクトやインテリア、住宅建築など多様な分野のデザインを手掛け、お亡くなりになる少し前まで約60年の長きにわたりデザイン活動を続けてこられました。まさにジャパニーズデザインのパイオニア。
当店でお取扱いしているのは
SEIKOリキウォッチ日本の伝統色(税込1,1340円)
SEIKOリキウォッチキッズモデル(税込9,180円)
Lemnos小さな時計(税込10,800円)
Lemnosリキクロック Sサイズ 細字タイプ(税込5,400円)
Lemnos銅の時計(税込16,200円)
METROCSリキスツール ハイ(税込3,564円)
METROCSリキスツール ロー(税込3,024円)
佐藤商事ユニトレー(税込1,296円)
まずご紹介したいのは多くの方から支持を集めるリキウォッチキッズモデルとリキウォッチ日本の伝統色。
シンプルかつ機能的、オーソドックスなようで個性的なこの時計たちのちょっと不思議なところは、選ばれる色に偏りがあまり無いこと。人気色や不人気色というのがありそうで無いのです。他の販売店様はどうなのかわかりませんが、当店ではどの色も比較的均等に売れていきます。お買上げになるのは20代前半~40代、50代の方、ヨーロッパの方やアジアの方、もちろん男女も問わず。
とにかく色々な方が買われるからなのかお気に召される色というのが本当に人それぞれ。どんな方の個性にもピタリとハマる色とデザイン、そのバランスが絶妙なのかもしれません。
そして実はACARTもこのリキウォッチの愛用者。一番上の写真がもう10年くらい前に購入した私物です。
ベルトに少し使用感が出てきましたが、まだまだ現役です。
他にも壁掛けのリキクロックや銅の時計も人気。
ともに機能に裏打ちされ、かつ日本の生活に立脚したかたちを追求してきました渡辺力氏らしい作品です。
直径約20cmの壁掛け時計、「銅の時計」は渡辺力の100歳を記念して制作されたもので、氏が最も愛着を持つ素材である純銅製のフレームが特徴です。
またノーマルな壁掛け時計「リキクロック」はタンバリンの枠と同じプライウッドの木製フレームを持つ壁掛け時計です。
当店でお取り扱いしているのは、手動調整式で直径約20cmのSサイズ。また文字盤のフォントが細い細字モデルというものです。メーカーではこの他にSサイズの太字、Lサイズの細字と太字の計4種類がラインナップされていますが、このSサイズの細字モデルは、太字モデルや細字のLサイズにない秒針を持っているのが最大の特徴です。
また秒針や分針がカチカチと進むステップムーブメントではなく、なめらかに進むスイープムーブメントであるのも4種類中唯一。好みの問題ではありますが、静けさを邪魔しないその動きには好感が持てます。
そしてより個性的なデザインの時計、その名も「小さな時計」も忘れてはなりません。
こちらは1970年にセイコー(当時は服部時計店)から発売された製品「小さい壁時計」が元になっています。
現在のメーカーはLemnosというブランド名で数多くのデザインクロックを販売しているタカタレムノス。1970年当時、壁掛け時計は大きく装飾過多なものしかなかった時代に、パーソナルクロックとして小さくシンプルな時計を発案。それが大いに支持を集め、建築家などもこぞって採用するようになったというもの。当時の雰囲気をそのままに、一部のデザインを見なおして復刻された製品です。
もちろん時計だけではありません。
デザインが暮らしの問題を解決する・・・という意味で、このリキスツールは氏の発想力を見事に表した作品です。
オレンジと青、黄色の3色に黄色×白と青×白のコンビも先日入荷いたしました。段ボールですのでお手頃価格なのと構造計算された頑丈な本体は耐過重が600キロ以上!お子様のお部屋やリビングの予備の椅子として、家事室やキッチンでのちょっとした腰掛けに。
また当店のレジでも使用しているお金をお頂りするキャッシュトレーも渡辺氏の作品。
一見普通のステンレストレーなのですが縁のカーブや全体のフォルムはシンプルながらとても優美。
細かなものでもつかみ易く、1円玉でもちゃんとすくい上げられます。
毎日使っていても感心させられる優れたプロダクトだと思います。
もちろんキャッシュトレーとしてではなくメガネを置いたりペンなどの文房具を置いたり、いかようにも使えます。
いかがでしょう。
半世紀以上もの間、日本のデザインを牽引してきた渡辺力の作品たちは、今でも全く古さを感じさせないものばかり。
100歳をこえてもなお精力的に作品を生み出してこられた氏が、まだ活動を続けておられたとしたらいったいどんな作品を見せてくださったのかを想像すると残念でなりませんが、あとは残された我々の世代が、氏の作品を超えるもの自分たちで築きあげなければならないのでしょう。
まずは氏の作品を学び、しっかりと理解することが、そのスタートになるのだと思います。
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