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もうすぐ本行。お水取りは今年で1264回目です。 [奈良のこと]

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「東大寺二月堂修二会」は「(旧暦の)二月に厳修する法会」という意味。大仏さまが造られた752年に始まって以来一度も途絶えることなく続き、今年で1264回目をむかえます。

3月1日から本行が始まる「東大寺二月堂修二会」。
お水取りと呼ばれるこの伝統行事、実は本日20日からその前行の「別火」が始まるのです。
本日は本行の前に行われるこの「別火」について簡単にご説明させていただければと思います。

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修二会に参籠する僧侶を「練行衆」と呼びます。毎年12月16日に、東大寺とその末寺の僧侶の中から11名が選ばれ、翌年の2月20日から3月15日までの間、自坊を離れて(自宅に帰らず)行に専念します。
本行に入る前の「別火」とは文字通り世間と火を別にし、俗世間を絶った生活をすること。
大仏殿の西側、戒壇院別火坊で練行衆全員が泊まりこんで行われます。
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お坊さんが11人も、泊まり込んで何をしているのでしょうか?
修二会の本行は半月にも及ぶため、それに対する色々な準備が必要となります。「別火」は主にその準備の期間というわけですが、前半と後半をそれぞれ「試別火(ころべっか)」、「惣別火(そうべっか)」と名付けて区別しています。「試別火」は2月20日から25日(閏年は26日)まで行われ、 「惣別火」はそれ以降2月末日までだそうです。

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試別火では、修二会での声明、お経の稽古、行中に仏前を飾る南天や椿の造花作り、灯明に使う各種灯心の準備などなどが行われます。
また二月堂のお掃除や東大寺の参籠しない僧侶に挨拶をする「暇乞い;いとまごい」等もこのころとか。

「試別火」の期間中は、火を世間と区別することをはじめ色々と約束事がありつつも、境内であれば制約はありますが外出もできます。
しかし後半「惣別火」の期間に入ると、より厳しい制約の中で過ごします。
いでたちも紙衣という紙の衣となり、外出ももちろん許されません。所作や作法も厳しくなり、寒いこの時期ですが部屋の外に一つある、火打ち石で点火した火鉢以外は一切火の気がなくなってしまうそうです。twitterやfacebook、ブログももちろんダメなんでしょうね。

「惣別火」期間中、練行衆は声明の稽古、行中に使う糊たき、ホラ貝の稽古、堂内の荘厳に使う椿の枝に造花を取り付ける作業等をして過ごします。「惣別火」は2月末日で終了し、午後には二月堂参籠宿所に向かいます。
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どこか神秘的なものを想像させる別火、少しはおわかりいただけたでしょうか?他にもお水取りに関してはあまり知られていないことが色々とあるのですが、長くなるのでこの辺で。
また機会があれば「なぜ椿の造花をつくるのか?」、「何のためにお水取りを行うのか?」などを簡単ではありますがご紹介できればと思います。

お松明だけがお水取りのように思われがちですが、お水取りはもう始まるところでは始まっているのです。11人の僧侶の皆様やそれを支える人々がいてこそのお水取り、今年もありがたく拝見しましょう。

■東大寺二月堂修二会
3月1日~3月14日


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