お水取りもいよいよ佳境。 [奈良のこと]

3月11日。土曜日です。
本日は猫スタッフ長女がお店に来ています。

早くも新商品の柴犬の紙風船が気に入った模様。
こう見えて、彼女は犬派なのです。
さて東大寺二月堂の修二会もいよいよ佳境。明日のお松明は通常より少し遅い19時半からとなっています。
明日12日のお松明は「籠松明」というひときわ大きなもので、さらに本数もいつもより一本多い11本。
今日のブログはこの12日のお松明と「お水取り」という修二会の通称について。ご存知の方には退屈かもしれませんが、少しだけお付き合いください。

そもそもお松明は11名の練行衆が、二月堂での行のために上堂するための道明かりですが、通常あがる「お松明」は10本です。連行衆の 人数より一本少ないのは、いつもお一人だけ準備のために先に上堂しているので、その方の分が必要ないから。ただ12日だけは、全ての練行衆が上堂するので11本の「お松明」があげられるというわけです。

そして前にも簡単に書きましたが、東大寺の修二会が「お水取り」という通称で呼ばれる由来について。
修二会の中では、行が無事に進むよう、全国の神々の名前を読み上げる作法があるのですが、これにまつわるこんな話があります。
釣り好きの若狭の遠敷(おにゅう)明神は名前が読み上げられたのに気付かず、他の神様より遅れて二月堂にやって来られます。そこで「遅れたお詫びに若狭から水を送る」と言われたところ、二月堂下の大地が裂け、水が湧き出し井戸となったというのです。

この遠敷明神が献じた若狭井から水を汲み、二月堂本尊に供えるのが「お水取り」と言われる儀式。全体の名称のように思われていますが、実際は12日深夜(13日午前1時半頃)に行われる秘法で、井戸自体も閼伽井屋(あかいや)と呼ばれる建物の中にあり決して見ることは出来ません。
修二会の別名「お水取り」もこれに由来します。明日の深夜に行われるこの「お水取り」には、寒い中にも関わらず多くの方が訪れ、秘技の行方を見守るそうです。

またこの「お水取り」に先がけて、毎年3月2日には小浜市神宮寺で「お水送り」が行われます。
お水取りで汲み上げられる「お香水」は、神宮寺で修二会が営まれたあと、若狭鵜の瀬から送られ、10日間かけて奈良東大寺二月堂「若狭井」に届くといわれています。
ちゃんと発信元があって、送られてるんですねー。

お松明の中でも特別な12日の「大松明」と「お水取り」。
大変多くの人が訪れ、二月堂付近に近付けないほどの混雑になります。行かれる方はどうぞ覚悟をして、お気をつけて。
最後に、明日は次女と三女の猫スタッフコンビがやってきます。
お水取りに行く前に、ぜひお立ち寄りください。
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