今年も『プライベート美術館』が始まりました。 [奈良のこと]
土曜日になりました。本日もACART LIFESTYLEには猫スタッフの次女と末っ子が出勤しています。
今日はかくれんぼ?と棚の下から、末っ子の様子を不思議そうに見ています。
なるほど、季節がら今日も変なコスプレをやらされてるんですね。
毎年恒例のセリフ「好きでやってるんじゃないわ」いただきました。
だよね?次女が言うとおり、どうもまんざらでもない感が漂います。
少し寒くなっていつも以上に動きが鈍くなった次女に対して、相変わらず運動量の多い末っ子。
短い毛で体も小さく、細身なのに寒くないのでしょうか?
いっぽう、暖かそうな毛と体格の次女は時々「お年寄りですか?」と言われるほどじっとしています。
そんなわけで次女を動かしてくれる方、大歓迎です。
どうぞお買い物やならまち散策のついでに、遊んでやってください。
さて、こちらも恒例のイベント。
本日から11/4(月・祝)まで、「プライベート美術館」が始まりました。
プライベート美術館とは、奈良県内に在住もしくは在学中で障害がある方のアート作品を、日常のなかで楽しむプロジェクト。今回で9回目となるそうです。
今年も「奈良県大芸術祭」と「奈良県障害者大芸術祭」の一部として、近鉄奈良駅周辺の店舗や県内の神社・お寺などでも作品展示が行われます。
ACARTも展示場所として参加させていただくようになってからこれで4回目でしょうか。
毎回作品をご覧になる方や作者の方との新しいご縁があり、とても楽しい催しです。
今回もそれぞれのお店で展示されている作品は、8月末に実施された「お見合い展示」で参加店舗の方が選んだ作品。
「お見合い展示」とは、プライベート美術館の作品募集で応募されたたくさんの作品を、展示するお店の人が実際に見て、気に入った作品を(早い者勝ちで)選ぶ、という参加店舗向けのマッチング会です。
ACARTもうっかり忘れそうになりながら、またまた近所のお店の方に助けていただいて(nknkさんありがとうございました!)ギリギリで行ってまいりました。
前回はかわいい白黒の猫さんの絵「くろねこ」と、当店お気に入りの画家さん西ノ園さんの「ブロッコッリー」でしたが、どちらもお客様に好評でした。
今回はどんな作品を選んだのでしょうか?
今回も前回と同じく2点。
とびきり素敵なのを選びました!
『アイイロ・ミカン』青木 優さん作
アクリル絵の具で描かれたミントグリーンの背景に、藍色の丸が2つと、鮮やかなオレンジ色のミカンのふさが2つ。藍色の丸(緑色のおへそがあります)がミカンの外側なのか、そうだとしたらなぜ藍色なのか・・・?作者の方とはまだ面識がないので一切わかりません。
ただひたすら大胆な構図と色使いが素敵すぎるのです。
理由はともかく、この色をお部屋の一画にとりいれることで、ぐっと空気が変わりそう。
そんなインテリア的観点から、飾りたくなる絵。
構図と色使いだけでなく、近くで見ると浮かび上がる筆跡。筆使いもいたって大胆なのです。
溢れ出るエネルギー、生き生きとした生命力。そしてますます湧き出る藍色のミカンの謎・・・。いろんな意味で存在感抜群の絵画。
実はお見合い展示で一番最初に目に飛び込んできたのが、この絵でした。
そして2点目。
『家』田井 勝さん作
藍色のミカンとは対称的に、極めて精緻な筆使いで隙間なく描かれる家、また家。
画材はボールペン。モノトーンのシャープな線だけで構成される絵なのですが、ひとつひとつの家のシルエットは有機的に歪んだり曲がったり。
大きな家があれば小さな家がある。どっしり太った家もあれな、縦長だったり、小さかったり、キノコのようにすぼまっていたり・・・。唯一共通しているのは、どの家も窓が4つの二階建て。
いくつかの大きな家が建ち並び、隙間を埋めるように小さな家が増殖している・・・まるでそれは現実の町の成り立ちを表しているようでもあります。
結果的には画面全体でほぼ均等な量に書き込まれ、遠目には均一なトーンのグレーの模様の包装紙のように見えます。
ただひたすら描きこむ、そんな作者の根気と集中力が強いエネルギーを感じさせる作品です。
例年「プラ美を回っている」というお客様がたくさんいらっしゃいます。ときには見ず知らずのお客様どうしが意見や感想を話したりする場面も。また作者の方ご本人やその身内の方にご来店いただき、作品について詳しく教えていただくこともあります。
「プライベート美術館」はただ作品を見るだけでなく、普段のお店ではないふれあいも楽しめる、そんな素敵なイベントなのです。
ぜひ皆さまも店頭でご覧いただき、作品の感想なんかもお聞かせ頂けると幸いです。今年も作品名のプレートのQRコードを読み込むことで、メッセージを送ることもできます。
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