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はじめての「THE・お水取り」 [奈良のこと]

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修二会のお松明も本日が最終日。本日の深夜(15日の早朝)には満行をむかえます。早いもので、もう3月も半ばなのです。
そんな修二会の別名「お水取り」とは、二月堂修二会の全体の行事やお松明のことだと思われがちですが、そうではありません。そもそもは修二会の行中の3月12日深夜(13日の午前1時半頃)に、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式のことを指します。
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そんな修二会の中でも大切な儀式である「THE・お水取り」、今年は行ってきました!


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ACARTが家を出たのは12日から日付が変わって13日の午前0時30分頃。
外は人の気配はもちろん車の気配すらありません。てくてく歩いて裏参道から二月堂へ。
二月堂に到着したのはおそらく午前1時頃だったでしょうか。

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すでに沢山の人です。普段上がっている正面の石段はすでに封鎖されていたので、横の狭い石段からトコトコと上っていきます。
階段を上りきったところには、連行衆の出待ちの人々と、お水取りのお世話をする講社の人、童子さんなどでごった返していました。
はじめての「お水取り」、とりあえずココで待機してみます。

例年に比べて暖かいと言われた今年の3月12日、それでもやはり深夜ですので気温は5℃くらい。寒いです。しばらくその場で待っていると、篝火(かがりび)に点火されました。めっちゃ暖かい。火の力ってすばらしいですね。
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また篝火だけでなく、でっかい葉巻のような松明にも点火されます。お松明のときの松明とも違うこの松明は一体?
さて、いよいよお水取りが始まります。

①咒師、登場(13日午前1時過ぎ)
咒師(しゅし)が行を中断してお堂の中から出てきました。
「お水取り」の儀式では、メインでお水を汲むのは練行衆のうち咒師という役割の人。この人(下の写真真ん中、帽子みたいなのを被った方)がでてくるといよいよ始まりです。
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②お水取り行列、二月堂を下りて水汲みへ向かう。
雅楽の生演奏がスタートし、咒師童子(咒師さん用の童子さん)が先程点火したでっかい松明(咒師松明というらしい)を抱えて行列を先導します。

咒師松明に負けない大きな御幣を持つ警護役の講社の人たち、堂童子、汲んだ水を入れる閼伽桶(下の写真)を運ぶ庄駈士(しょうのくし)などで構成される「お水取り」の行列は、篝火と雅楽の中しずしずと石段を下っていきます。みなさん行っちゃったのでACARTも下へ移動。階段の途中から拝見することにしました。
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途中、良弁杉のそばにある興成神社で「お水汲みますよ」という祈りを捧げ、ついに咒師は閼伽井屋(あかいや)へ入ります(ACARTの位置からは見えませんが)。
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閼伽井屋とは井戸を囲っている建物で、このとき水を汲む人以外は誰も入ることが出来ない秘密の場所です。とっても神聖な場所なので、結界とか榊が凄いことになっています。

③いよいよ水汲み!
行列が閼伽井屋に到着すると咒師、堂童子等が中に入って水を汲みます。
ここで雅楽停止。どうやらお水を汲んでいる間は無音、閼伽桶が二月堂に上がるときや下りる時は雅楽が奏でられるようです。ちなみに閼伽桶が移動している間は、お水を汲む咒師たちは閼伽井屋で待機だそうです。

④汲んだ水を二月堂の内陣まで運びます。
しばらくすると先程の行列が戻ってきて、今度は石段を上がっていきます。写真は閼伽井屋の若狭井から汲み上げたお香水を閼伽桶に入れて、二月堂まで運ぶところ(先頭が咒師松明です)。
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⑤③~④を三往復。
閼伽桶は二桶で一荷。二荷ずつが二月堂と閼伽井屋を三往復します。
およそ1時間程だったでしょうか。無事にお香水が内陣に納められた様子を見届けました。
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⑥咒師、二月堂内へ帰る。(多分午前2時半頃)
「お水取り」が終わると閼伽井屋に下っていた練行衆は再び行列を組んで二月堂へ戻り、中断していた行が再開されます。

以上でお水取り終了。
実はこの閼伽井屋への上り下りとか咒師とか、撮影禁止かと思っていたのですがそうでもなく皆さん結構撮ってました。
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しかもACARTが見ていた階段の途中の場所は横に篝火があり、係の方が耐えず火を見張っていたのですが、その方が割と親切で「今年はちょっとお水取り長いなあ」とか「あんまり近付いたら燃えるでー」とか気さくにお話してくださったので、いろいろと勉強になりました。
もちろん水を汲んでいる閼伽井屋の中は撮影どころか見ることすらできませんし、その他の部分もフラッシュは厳禁。
厳かで静かな儀式ではあるのですが、どこかアットホームな雰囲気もあったお水取り。
そこがACARTは結構好きだったりします。

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もし興味のある方がいらっしゃったら、あまり気負わずぜひ一度行ってみてください。
とはいえ寒さは本気ですので、その点だけくれぐれもご注意を。


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