次女のうちのこ記念日は大晦日です。 [その他]
2014年12月31日。アカートは初めて「猫を拾う」という経験をしました。
それも小さな「子猫」。
それはお店を始めて2年目、お正月の初売りの準備をするために、12/31はお休みにも関わらず休日出勤をしようと出掛ける途中でした。
家から出て数分のところ、出勤時はいつも野良猫さんたちが何匹かいる地域を通ります。そのあたりの猫さんの様子を見ながら通勤するのが日課になっていたのです。
自転車で通りかかって遠くから見つけた物体。良く言えば誰かが落とした手袋かタオル、悪く言うとボロ雑巾のようなものが「ぽて」と落ちていました。
何となく変な予感がして一目散に自転車で近寄ると、予感は的中。
それは小さな小さな子猫でした。
白っぽい地色に薄い茶色のシマシマ模様が体中に走るポワポワの生き物。
目は涙と目やにで癒着し、体は薄汚れ、小さくうずくまっていたのです。
「おい。どした?」と声をかけるとぐいぃぃ~ん、と伸びて、小さなあくびをひとつ。
元気そうは元気そう、かな?
お母さんを探してその辺をウロウロしましたが見当たらず、たまたま井戸端会議して居た大人の猫の側に近づけてみても「何この子?薄汚いわね」というような顔をされ、どうやら母親ではないみたい。
そこに置いておくと車にひかれる可能性も十分にありましたし、他にもカラスや大人の猫などに傷つけられてもいけませんので、仕方なく連れて帰りました。
初めて拾った子猫。
人生でそんなことが起こるなんて思ってみませんでしたし、その時は今以上に猫に対して無知だったので、その猫が月齢どれくらいなのか、今どういう状況なのか、皆目見当もつきませんでした。
一度家に連れ帰ったものの、お正月の準備だけとはいえやはり仕事にはいかないといけないので、子猫をケージに入れてまた出かけました。
お店で初売りの準備をしている間も、終始猫のことが気になり、そのまま家で息絶えていたらどうしよう?などの不安もよぎりました。
猫好きの方からは「すぐに病院に連れていくべき」というお叱りの言葉も聞こえてきそうです。
急いで仕事を終わらせて帰宅すると、幸運にもその猫はケージに入れたときのままの姿で眠っていました。
さっそく猫用のミルクなどをあげましたが飲まず。
体を少しだけきれいに洗って、その日はそのままケージで寝かせました。
翌日、お正月ですが朝から急いで病院へ出かけました。
一応お正月ということで、普段の長女がかかりつけている病院はお休み。
お正月も診療しているちょっと遠くの病院へ行きました。
子猫は月齢2ヶ月ほど。体重は500グラムちょっと。
特に大きな病気やケガはないものの、目が癒着してしまっているのが気になりました。
目は成長してから開く可能性もあるが、開かないかもしれない、そんなことを言われましたが、ともかく目薬やお薬をもらって帰りました。
ちなみに、ミルクは飲まなかった子猫ですが、すでに歯が少し生えていたのでもう離乳食は食べられるとのこと。
子猫用のご飯をあげたら、なんと喜んで食べました。
お腹が空いていたようですね。早く気付かなくてごめん。
その後、子猫を何度か最初の病院へ連れていき、お腹の虫の駆除や健康チェックなどをしていただき、晴れて普段通っている病院へ転院。
目もなんとか開いて、大きなぐりぐりの目玉が出てきました。
知り合いからは「里親探ししたら?」という声もありましたが、私たちにその選択肢はありませんでした。
その年の5月に、今の長女の姉が17歳で亡くなったということもあり、うちには猫が長女だけでしたし、今思うと、拾ったその時からもう彼女は「うちの子」だったのです。
愛くるしい子猫はどんどんやんちゃに大きくなり、とても大切な家族になりました。
大きな目、なんとも言えないカフェオレのような茶色、フワッフワの毛、好奇心旺盛でフレンドリーな性格、甘えん坊で愛情溢れるその子は、それからずっと、我が家で愛すべき「次女」です。
一点だけ、当時すでにシニアだった長女が、次女の元気についていけずちょっと疲弊することもありましたが、その1年後に登場した末っ子のお陰で、その問題もほぼ解決。
今では良いバランスの3姉妹です。
末っ子の面倒をよく見てくれて、私たちにも愛情を注いでくれる次女。
看板猫としてはもちろん、作家や女優、最近ではシンガーという肩書も使い、変幻自在に活躍してくれています。
ちょっとお調子者で不思議ちゃんではありますが、彼女の存在にはいつも助けられます。
もう6歳ということは、そろそろシニアも近くなるころ。
肥満だけでなく健康面にはこれまで以上に気をつけていかなくてはなりませんね。
6年間も一緒にいてくれたこと、本当に嬉しくありがたく思います。
これからも元気で長生きしてね、次女。