あちこちに結界が。明日から本行。二月堂修二会のこと~その3 [奈良のこと]
このブログでは何度もお伝えしていますが、明日からお水取りが始まります。
しつこく書きすぎてお水取りブログのような状態になっていますが、せっかくなので昨日の出勤前に連行衆の方々が行に励んでいるらしい別火坊を見に行ってみました。

戒壇院の北門には「別火坊」の大きな看板が。いつもこんなのあったっけ?と首をかしげながら中へ(ちなみに戒壇院南側の門にも看板はありました)。
この別火坊がある戒壇院は東大寺幼稚園のちょうど横なので子供たちの元気な声がよく聞こえます。練行衆が精進潔斎に努める別火坊と幼稚園児の声・・・。なかなかのコントラストです。
別火坊の外ではおそらく練行衆では無さそうな人々が何やら忙しそう働いておられました。もうすぐ別火も終わり、本日には二月堂下の参籠宿所に移動しますので何かと準備も大詰めなのでしょう。
さすがに別火坊の中は伺うことはできなかったのですが、いつもはひっそりとしているこの場所がにわかに活気づいているのはこの季節ならではだと思います。

この季節ならではの風景といえば、コレです。別火坊の門に輪注連(ワジメ)。
他にも東大寺境内をウロウロしていると塔頭の門に同じような輪注連が掛けてあるのに気付きます。
塔頭とは東大寺の境内にある小さな寺院。東大寺には塔頭がたくさんあるそうで、ナラノヤエザクラで有名な知足院も塔頭です。
ACARTがその輪注連を写真におさめていると、そばにいたご年配の女性が「この輪注連が掛けてあるのは、この塔頭から連行衆が出ている、ということなんですよ」と教えてくださいました。ですので連行衆が出ていない塔頭の門には輪注連はないのだとか。なるほど。何度も通っているはずなのに、全然知りませんでした。
そしてこの時期ならではがもう一つ。二月堂の階段の上には・・・結界です。
この「結界」、二月堂と大仏殿をつなぐ道の頭上にも張り渡されています。
電線とちょっと似た感じになってますし、気がつかないで通られる方も多いのですが、修二会の時期には二月堂周辺のあちこちに結界や先ほどの別火坊のような輪注連が張られています。
他にもお水取りの井戸がある閼伽井屋も結界してあります。
結界は聖域を示し、悪霊や穢れを嫌って清浄な世界で修二会を勤めるためのものだそうです。
塔頭や別火坊の輪注連も同じように清浄で穢れのない場所であることを示しているようです。
東大寺はお寺ですが結界や注連縄など神社のような要素があるのがちょっと不思議でおもしろいですね。
神仏習合の名残が色んなところに残っているのも、修二会の大きな特徴のひとつです。
本当に複雑で調べていると知らないことばかりのお水取り。思っていたよりもずっと神秘的で荘厳な行事だとわかりました。
知らなかったら知らないままで過ごしていたようなことばかりですが、本行が始まる前のこの時期にさまざまなものを通して「お水取り」を感じることができるのも、地元ならではだと思いました。
今年も拝見することができたら去年以上にありがたくお祈りできる気がします。
■東大寺二月堂 修二会
2015年3月1日~3月14日
そうそう。明日日曜日は猫スタッフが出勤します。
ガォー・・・ってこちらは二月堂に飾られていたトラの絵でした。

というわけで改めまして猫スタッフ。ガォー。

妹の方はまだ研修中なので自宅待機です。先週は小鹿田焼のテレビを鑑賞しておりました。
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